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2001年10月、80名もの会員が参画し、韓国にASLE-Korea(韓国環境文学会)が結成された。環境文学とは、ネイチャー・ライティングとも呼ばれ、自然と人間との関わり、そしてそれらを取り巻く環境にまなざしを向けた一人称形式によるノンフィクションの作品をさす。
ネイチャーライティングと言ってもその歴史は古い。H・Dソローの『森の生活』などは、その代表的な作品とも言えるのだが、日本でも国木田独歩の『武蔵野』、柳田国男の『山の人生』などは、まさにジャパニーズ・ネイチャーライティングと呼べる作品に他ならない。
日本では93年、アメリカで92年に環境文学会(ASLE-US)ができたのをうけ、ASLE-Japanが発足、会員は大学の文学研究者をはじめ、作家や活動家など多岐にわたっている。そしてこのほど、イギリス、ドイツに次いで韓国にもASLEが創設、その翌年には、沖縄で国際シンポジウムが開催され、アジアの研究者や文学者らが多数参加した。
そんななか、山尾三省さんの『ここで暮らす楽しみ』『森羅万象の中へ』(いずれも山と溪谷社刊)の2冊が相次いで韓国にて翻訳出版された。本書は、詩人として屋久島で20年にわたり、森や土や水と共に暮らしてきた作者の深い思索の結晶ともいえ、作品の中に込められたビジョンは、人間中心主義からアニミズムを基本に置いた思想や哲学に裏付けられている。
J-POPやアニメーションといった日本文化の解禁が加速する現在の韓国において、自然、環境、そして、人としての生き方を問うてきた山尾三省氏の作品が翻訳されたことは、ある意味、日本の良心ともいえる文化が輸出されたと言ってもよいだろう。だが、このような高まりは、韓国をはじめとしたアジア諸国もまた、日本や欧米が歩んできた開発と消費の病理に蝕まれている、その反動であるということも忘れてはならない。 |