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きっとこの数年の野外フェスの活況に接してその魅力に惹かれた人ならば、この佐渡島の南端の町、小木(おぎ)で17年に渡って続いてきた奇跡のようなフェスティバル「アースセレブレーション」とその中心である「鼓童」の噂を一度は聞いたことがあるに違いない。 僕はこのフェスティバルに関わって4年目。また今年も佐渡島に渡り、そして鼓童と共にその制作に関われたことが、本当に嬉しかった。直江津からフェリーに乗り、小木の町が島影の中に見えてくると、しみじみまた来たなと思う。そしてこの島での毎日と出会いへの期待に少し胸を膨らます。特に今年は僕にとって格別で、制作に協力するマーケットが2年越しの相談の末に、新しい姿を新会場に見せるのだ。 「鼓童」は佐渡島・小木を本拠に、その前身の活動から既に30年を経た和太鼓を中心とする伝統音楽芸能集団である。「ONE EARTH TOUR」と名付けられたツアーは日本中、さらにヨーロッパ、アメリカなどの蒼々たる会場を巡り、これまで42ヶ国2600回以上の公演をおこなったという。堂々たる日本を代表する和太鼓グループである。 |
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「アースセレブレーション」(以下、EC)は、'88年から佐渡の市町村と共に、毎年開催してきた地元密着のフェスティバルであり、設営から、町中に散在する会場の調整、コーディネートまで、その制作の多くはアーティストを含めた鼓童のメンバーによってなされている。質の高さとは別のレベルで非常に手作り度の高い場でもあるのだ。 三日間のメインとなる夜の城山コンサートを中心に、歩いてまわるのに丁度いい小木の町中に様々な企画が散在する。港の公園でのマーケット、体育館でのワークショップ、神社のフリー・ステージ、公民館の美術展や講演会、小コンサート、さらに小さな商店街でも地元の踊り、これらを巡れば美味しいソバ屋さんや飲み屋さん、なかなか趣ある商店、温泉なども現れ、フェスの楽しみが二重三重に広がる。人々とのやり取りなどを含めた町、島の風土、企画等々の全体に17年に渡るフェスの歴史と豊穣がにじみ出て、毎年心に染みる。ちなみに宿泊は町中の民宿、旅館、さらに町から少し離れた海水浴場隣接のキャンプ場もあり、会期中夜遅くまで臨時バスが運行されている。海外からの来場者(これがかなり多い)まで含めてリピーター率もかなり高く、独特のおおらかな雰囲気が会期中の町を包んでいく。 台風の余波で設営が遅れた僕らのマーケットだったが、開催初日の夕方には、各地から様々な作品と共に集ったクラフトマン、エスニック雑貨屋さん、屋台、カフェ、地元のNGO/NPOなどが広い芝生の上に軒をつらね、昨年までに増しておおらかな姿が現れてホッと一安心。今年の僕らの本部には、簡単なPA機材を持ち込み、マーケットのBGMに気楽なDJと、その時々にやりたい連中のライブもどうぞという趣向だったが、パーカッション系を中心に、鼓童メンバー自身の飛び入りまで(左列の一番上、“サラリーマン&OLによる太鼓パフォーマンス”というひねりすぎに爆笑)レベルも高い多彩なパフォーマンスが三日間尽きなかった。 |
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メインの城山で、それぞれの単独公演も盛り上がった後の最終日、ルーマニアからのジプシー・ブラス「ファンファーレ・チュカリーア」と鼓童との合同公演は、歴代でも屈指の来場者でギッシリの大盛況。鼓童の太鼓とチュカリーアの管楽器群がそれぞれに放つおおらかなグルーヴ、大きな歓声と波打つ客席の踊り、岬の山の上「城山」の深い緑、星空、月、まさに開催テーマ「祝祭」にふさわしい極上の幸福空間が生まれ、昇華していった。 すでに4年に渡って関わったEC、17年の歴史の約4分の1を伴走させてもらったわけだが、僕はまだまだ飽きることがない。きっと来年も再来年も、その先も、ECは続いていくし、そこに関わっていたいと思わされる。この佐渡島・小木という土地と一体化したフェスの全体に深い魅力を感じてやまないし、何より、フェスティバルと暮らしの未来にアースセレブレーションが教えてくれる大事なものをもっと感じたいと願うのだ。 |
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