9月4日、5日の両日。東京・三鷹市で、「くにうみまつり」が今年も開催された。
「くにうみ」がいったいどんな「まつり」なのか、ひとことで説明するのは難しい。なにせここには、無農薬野菜にヨガ、米づくりに塩づくり、エネルギー問題に沖縄音楽、さらに美味しいピザやビールの出店まで、私たちのlifeを喜びに満ちたものにするためのヒントたちが、あらゆる方面から集っているのだから。
「私たちのいのちを活かしていくため、はるか昔より伝えられてきた食や健康、農業や環境の知恵を共に学び、つなげ、分かち合おう」
 そんな思いで始められた「くにうみ」も、回を重ねること3回。今年は全体テーマを「調和と循環」とし、従来の出店と講演の二本柱にワークショップも加えた2日間のプログラムが組まれた。あつかっているのは決して楽しい話題だけではないのだが、場内にただよう空気の抜けが、不思議といいのがうれしい。
 まつりの幕開けを飾った講演のタイトルは、「地球再生への道〜暮らしとエネルギー」。原発廃止を基本スタンスに新エネルギー政策を提唱する「市民エネルギー研究所」代表・安藤多恵子氏と、ヘンプ(麻)を中心としたナチュラルテクノロジー開発を中心に活動を続ける「縄文エネルギー研究所」所長・中山康直氏による、新しいエネルギー社会のためのセッションだった。
「石油とは、1億年以上の年月をかけなければ利用することができないエネルギー。それに対し麻は、一年の生長でエネルギー利用が可能です。麻を中心とした循環型社会を実現すれば、未来への負担は大きく軽減できるんです」
 中山氏がこう切り出せば、続く安藤氏も「私も、従来の石油エネルギーへの依存を止め、循環型社会を目指すということでは同意見。今後はプレゼンテーションに使う森のイラストを、木ではなく麻の森に変えるべきかもしれませんね」と応える。実に柔軟。これって、すごく「くにうみ」らしいムードだと思う。
 今、この星が何を抱えているのか。私たちは今どのような地平に立ち、どこへ行くべきなのか。そのすべてを一度に知ることなんてもちろんできないけれど、私は今年もこの場所で、そのカケラひとつくらいはつかんで帰ることができた気がする。そして、「くにうみ」で出会うカケラはただのカケラであり、ひとつの限定された答えに人びとを集約しようとするものではないからこそ、私はここに大きな広がりを感じるのだ。いい場所、いい時間だ。
 来年はぜひ、あなたも。