今のままの生活を続けていけば、地球は持続できない。なぜ持続できないのか。この世界には富めるものと貧しきものの差があまりにも大きすぎる。文化の間のギャップも大きい。自然から人間が乖離してしまっているからです。
 現在の世界の人口はおよそ60億人です。そのうちの15〜6パーセントが、いわゆる富める人たち。世界中に出回っている80パーセントのものを、その人たちが買い占めてしまう。不平等の分配が一定して、今後そのまま続くというわけでもありません。ますます悪化していくことになります。それは、資源は限りがあるものですから。私たち人間は、ものを過剰に消費してしまっているのです。資源を使いすぎると、それがリサイクルできない。再生できないということになれば、資源はますます枯渇していきます。人口が増えていくなかで、今まで通りの生活を続けていけば、基礎的な生活さえ支えられないことになってしまいます。
 すべての生命に言えることですけど、最初は非常に低次元の命から始まります。だんだん進化をする。組織のレベルでも同じことが言えます。低次元の組織が、段階を経ることによって高次元の組織へと進化していく。システムがますます複雑に複合的になっていくと、いろいろなレベルの交流・交換というものが行われます。それは決して新しいことではなくて、今までの進化の過程においてなされてきたことです。宇宙の進化でも、生態系の進化でも、人類の進化でも、同じ道を辿ってきているのです。
 危機的な状況がある限界に達するところが分岐点。問題を解決して安定を取り戻すか、崩壊をしてしまうのか。そのまま続けることができないというところに到達します。地球というシステムは、まさに今この分岐点に来ています。残念ながら人類は崩壊の道を進んでしまっています。分岐点にいるわけですから、いろんなところに痛みもあるし、ストレスもある。そういう意味で紛争や対立が起こっているわけです。紛争を対立することによって解決するのではなく、対話によって解決する。そして平和のメッセージを普及させる、エコロジーの運動というものも普及させる。国レベルにおいて、グローバルなレベルにおいて、いろいろな制度の改革を進めていくという道もあります。そうなると、平和的な協力も可能になります。我々の生き方そのものを変えていく必要がでてきます。現状に突破口が開かれて、持続可能な社会に行き着くのです。
 私たちのひとりひとりの中にある意識の改革が、周りにいる人たちの意識の改革を及ぼすのです。地球が破滅する前にそれができて、私たち人間は持続可能で平和な社会を作ることができるのでしょうか。答えは明らかにイエスです。最近の科学の新しい発見や発明のなかでも、私たちの意識というのは、けっして孤立しているものではないということが分かっています。相互作用によって、周りを変えることができるという科学的根拠もあります。私たちの意識というのは、常に外と交信して情報を送って受け取っている。それを一生続けていくのが人間です。自分の認識や自分の気持ちが変われば、個人が変わったことに留まらない。それは隣にいる人や他人にも影響を及ぼします。情報の交換をする場がある。その場を通じて、新しい波を起こすことができる。その波が、ひいては新しい文明を、持続可能な社会、平和な社会を実現させるのです。