「ワークショップも10年。最初の頃は、とりあえずやってみるっていう人たちが多かったけど、今年は本格的にやってみたいっていう人が増えてるような気がする。近所に引っ越してきた人もいるしね」。田んぼワークショップをやっている中野雅蔵さん(88 Vol.01)が話してくれた。農的生活に関心を示す人、目指す人が増えているようだ。アーティスト・真砂秀朗さんが語っていた(88 Vol.03)。「以前、ある方の講演で、農業じゃなくて農として捉えられれば、これほど楽しいことはないということを聞いたんです。農は、ある種のスポーツでもあるし、教育でもあるし、レクレーションでもある」。書籍『農的幸福論ー藤本敏夫からの遺言』(加藤登紀子・編/家の光協会刊)の中で語られる、藤本氏の言葉も印象深い。「楽しくなかったら人生じゃない。(中略)僕が千葉県の鴨川(「鴨川自然王国」)でやりたいと思っているのは、食べものとエネルギーの『自給ごっこ』なんです。とにかく50%を自給することを目指し、そのことを楽しもうよ、ということです。そして、もし50%が可能になったら都市のヤツらに自慢しようじゃないか、と」。
 実際に田植えや草取りを経験してみると、農業に従事している方々に、あらためて尊敬の念を感じる。これだけ身体を使う作業を、しかも厳しい自然を相手にしている。すごい。田んぼの中に、いろんな生きものがいるのも見つける。そして、人とのつながり、自然とのつながりを想い、稲が早く実らないかなと想いをめぐらす。そしてそして、何より作業が終わった後のビールがうまい!
 唐突で大げさだけど、経済に支えられた都市生活中心の人生観ではない、何か新しい価値観が生まれつつあるような気がする。

中野さんのワークショップに参加して2年目の88スタッフ。家族揃って参加。これは、社員旅行よりも深いかも。目指せ、マイ田んぼ!しかし、ここに来るたび、翌々日は、みんな筋肉痛に悩まされる。
歌手・Yaeさんを中心に、ファンの人たちが集まり千葉県鴨川の大山千枚田で田植え。この集まりは今年で2年目。「最初、田んぼに足を入れた時の、泥のぬるっとした感触がクセになりそう」とYaeさん。

舞踊家・田中泯さんが主催する白州・身体気象農場でのお田植え。まずは苗取り作業、続いてお田植えを行なう。はじめての人からベテランまで、集まった人全員が一列に並び田植えをする姿が実に美しい。
真砂秀朗さんの田んぼは、いつ訪ねても心和む。葉山の国道からちょっと入るだけで、こんなに静かな場所があるのだ。心安らぎ、しかも1年分のお米がここで穫れるという。しかも旨い!