文 ・ 真砂秀朗 awa-muse.com
  
  この前の旅の話にはつづきがある。
 サウスウェストの様々な夏の情景を記憶にのこし、亀の島を後にして帰路についた機内での事。

ビデオメニューの中に興味をひくタイトルがあった。
東京のヒートアイランド現象を解明するNHK制作のドキュメンタリー番組だった。
 今や、都心の主に大型ビルや地下街の冷房による発熱量は太陽の照射熱量に匹敵する程で、

かつてあった夏の北風は最近では全く無く、東と南の海からの風が集中豪雨を生んでいる。
というのが簡単に言うと番組の内容だった。
 ひと月の間、広い地平線の空間にいた僕の目に、その番組をとうして写るものがあった。

この現象は地球が、都会の熱や空気のバランスをとるために海からの水を都心に降らせているのだ。
 サンダンスで人が発した気はイーグルを呼び雲を呼び雨を降らせた。

かたや人が造った高層ビルや地下街の熱が豪雨を呼んでいる。
どちらも自然がバランスをとっている聖なるサイクルなのだ。
しかし片方は恵みであり、片方は災害と呼ばれる。
でもそれは人間の立場で言っているだけであり、しかも人が発している事なのだ。
 そろそろ稲刈りの時期だ。昨年は10月に雨が多く、しかも2度も台風が来て

天日干しの竿が倒れ、その度にずぶ濡れになった稲束を拾い集めながら、
自然農法がしにくい自然を実感したものだった。
でもその実から今年もまた立派に稲穂が実り、刈り取りを待っている。
おくての緑米も紫色の穂が揃い、風に揺れている。
 畦道には、心地よい水と空気が流れている。