

Lj HOME > Live Report > No.011/S・O・N


恵比寿駅に降り立つ。飲食店が両脇に立ち並び賑わう通りを少し過ぎたところにNOS はある。地下へ伸びる木造の階段を降りると、そこに広がるのは3つのゾーンに区切られた空間と、頭上を廻る直径1メートルはあろう大きなミラーボール。薄暗いライティングが長い夜を楽しみたい気分を盛り上げる。ガラスで軽く仕切られた一番奥のゾーンには、広々とした空間と、奥には小さめのステージ。その背景には蓮華の花とNOSのロゴが交互に映し出されている。
NOSが2周年を迎え、各方面でマニアックな話題を提供してきたイベント「SACABANOS」をより一段と音楽中心に更なる展開を求めるべく新たに繰り広げられた宴、「S・O・N(SOUND OF NOS)/エス・オー・エヌ」。記念すべき第1回目は、一連のダブバンドとは一線を外す存在、そして魅惑のコーラスワークと哀愁のピアニカをフィーチャーしたdubsensemaniaがアコースティック・セットで登場した。メンバーはドラムのPJ、ギターのLUI、パーカッションのRAS KANTO、そしてピアニカのRAS TAKASHI。私自身、初めて体験する彼らのアコースティック・ライブにもちろんかなりの期待を抱いていたものの、正直なところノリはどうなんだろう?と不安も抱いていた。が、そんな不安抱いた私がバカだった。
PJ以外のメンバーによる柔らかな歌声の「Summer Place」に始まり、今日はギター片手に登場のPJの歌声がお腹の底にまで力強く響く声で「Moonlight」「Wonderful」と続けて歌い上げる。MCを軽くはさみながらのゆったりとしたステージ。メンバー、そしてオーディエンスの表情は穏やかで、時間もなんだかゆっくり流れているようだ。そして続く、「Feel You」と「気の向くまま」のコーラスの伸びやかさに改めて驚かされる。dubsensemaniaの何がいい?と尋ねられてまず思い浮かぶのが彼らのコーラスの美しさ。これまで体験してきた彼らのノリのいいライブでも必ずうっとりさせられてしまう。しかも今回はアコースティックでしっとりじっくり聴いたものだから、なおさら息のぴったり合った歌声に驚かされた。ソファに腰掛け耳を傾けるオーディエンスも心を鷲掴みにされてしまった様子。その姿になぜか私がにんまり。RAS KANTOが跳ねるようにジャンベを叩き軽やかに歌い上げる「Song of Lion」、7月12日に発売されるカヴァ−アルバム『Inna di kitchen』から「Brother Laiie」「I Know」と続く。「Song of Lion」は、この間の深夜番組のエンディングでフルメンバーの演奏を聴いて気になっていたところ。彼らがTVに出演している姿にも惹き付けられたのだけれど、軽やかで体が思わず動いてしまうような曲自体相当気になっていたところで、今夜特別なアコースティック・セットで聴けるなんてシアワセ…、と思ったのも束の間。心地よいグルーヴで聴かせるラブソング「you know i live you」でライブは一旦幕を閉じた。足早に去るメンバーに即座にかかる「アンコール」の声。にこやかに戻って来たメンバーはもう1曲披露し、再び足早に去っていった。
<良い場所と美味しいお酒、そしてそこに良い音楽が加わると、ジャンルも年齢も関係なく心から幸せが沸き上がる>そんな簡単そうでなかなか実感できないことを、dubsensemaniaとNOSは与えてくれた。今夜ここに集った人たちの年齢も外見も見事にバラバラだったけれど、それでもみんなひとつのステージから発せられる音に酔いしれ、同じ時を過ごした。そういう空間は有無を言わさず幸せで、そんな一時をもう1度頭の中で反芻し味わいながら、賑わう NOSを後にした。