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No.018/ジョン・コーワン・バンド

07年9月11日@渋谷クアトロ
ブルーグラスとジャムがリンクした夜。

Text : Takashi Kikuchi

 サム・ブッシュをリーダーに、ベラ・フレックスなどが在籍したバンド、ニューグラス・リバイバル。その名の通り、 1940年代にビル・モンローによって創世されたブルーグラスに、ロックやフォークなどのフィーリングを融合させて、新しいブルーグラスを1970年代に生んだバンドだった。このバンドに在籍していたのがジョン・コーワン。ニューグラス・リバイバルらが牽引した新しいブルーグラスはニューグラスと呼ばれ、自由に音楽を楽しむスタイルは、90年代に入るとジャムバンドへとバトンタッチされていった。
 ジョン・コーワンの、ブルーグラス・ミュージシャンとしておよそ30年振りの来日が実現した。ブルーグラスと限定したのは、ドゥービー・ブラザースのサポートメンバーとして来日をしている。バンドのメンバーは、ティム・メイ(アコースティック・ギター)、ジャド・コップ(フィドル/マンドリン)、ノーム・ピクルニー(バンジョー)とジョンの4人。特に注目していたのがノーム・ピクルニーで、彼はストリング・チーズ・インシデントとほぼ同時期に誕生したジャムバンド、レフト・オーバー・サーモンのバンジョー弾きでもある。古くはグレイトフル・デッド、最近ではチーズと競演しているジョン・コーワンが、若いメンバーとどういう音を聴かせてくれるのか、どんなスタイルを見せてくれるのか。そんな期待を膨らませていた。
 ツアーは、9月7日の大阪から9月12日の名古屋まで、ハイドパーク・ミュージック・フェスティバルへの出演を含めて、全部で6ショーが行われた。そのなかで見たのが9月11日の渋谷クアトロ。会場につめかけたのは、ほとんどがブルーグラス・ファン。僕と同じように、チーズでブルーグラスをかじって、ジャムバンド的なライヴを期待したファンも少ないけれどいた。
 ジョン・コーワンの特徴と言えば、そのボーカルにあるのかもしれない。ソウルフルでドライブ感も高い。アコースティックの弦楽器たちの音に乗せられて、さらに声は広がっていく。ノーム・ピクルニーをはじめとした若きメンバーたちも、声と対峙しながら、演奏を続けていく。
 演奏のなかでは、もちろんジャム的なアンサンブルも楽しませてくれる。ブルーグラスが、上の世代から下の世代へとバトンタッチされていっているのか。そんなことを、彼ら4人が演奏している笑顔を見て感じていた。ショーの後半には、日本のブルーグラス系ジャムバンド、HERES FOR THERESのメンバーもゲストでステージに立ち、アコースティック楽器によるセッションが続けられていった。
 アメリカのルーツ・ミュージックをベースに、現代的なアレンジをちょっと加えるグッド・ミュージックを楽しめた夜だった

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