

Lj HOME > Live Report > No.022/Dachambo "NEWRASIA"
Text & Photo: Kazuyoshi Janta Ueda




1000人収容というベニュー、恵比寿のリキッドルームで爆音と共に始まった、ダチャンボのワンマンショウ。開始からわずか数曲目の盛り上がりに感じたのは、今夜のショウが特にすごいことになるだろうということ。いつだってノンストップ+ハイテンションな彼らだが、今夜はガソリンとニトロを混ぜたかのような燃え上がり方なのだ。しかも、ジャムは長めで濃いときてる。
ファーストセットの途中、ROVOの勝井祐二が、エレキヴァイオリンを持ちゲストで登場。重なるファン層が大喜びで迎える中、始まったのは怒濤の "Mascaline"。ステージ上で繰り広げられる、スリリングな演奏にのめり込む満員御礼の会場は、空調が壊れてしまったかのような熱気を発していた。
セカンドセットのオープニングにMajestic CircusのNaoをヴォーカルに迎え、妖しげだがハッピーなダチャンボワールドが広がる。それを視覚的に空間を増幅させているのが、 OverheadsとShinkirowによるライトショウ。そして、ステージに並んだキャンドル・ジュンの大きな蝋燭の、ゆらゆらと揺れる灯り。
通常のライトショウはバンドのバックに投影されることが多いのだが、今回はフロアの天井から紐状のスクリーンを垂らし、そこにOverheadsがプロジェクターで照射している。紐状のスクリーンはわずかに揺れているようにも見え、投影される光がオーロラの如き色変化を見せてくれるのだ。 Shinkirowはステージ下のピットや会場のあちこちにゲリラ的に出没し、色つきフィルムやミラー、ライトなどを使ってハプニング的な光の演出を強力に添えた。そして、レフトにて同時進行で描かれ、現れる絵が刻々と変化していくGravity Freeのライブペイント…。
このショウのハイライトのひとつは、ゲストとの競演だった。特にタイジ(San Paulo)とAoのプレイは、観る者の心を熱くさせるエモーショナルなもので、ニール・ヤングの"Only Love Can Break Your Heart "で、2人のギター弾きが言葉ではなくフレーズのひとつひとつで会話をし、満面の笑顔で笑い合う。
そして、セカンドセット後半にはSoil & "PIMP" Sessionsの元晴が、サックスを手に登場。管楽器が加わったことで、音に艶が出たようなファンキーでホットな演奏に魅了される。興奮が渦巻き、盛り上がりまくっている観客の中に入っていくと、歓喜のエネルギーに包み込まれ、それがなんとも気持ちいい。
心から楽しんでいる村民たちが素晴らしく、ステージに彼らの愛が向かっていくと、バンドが応えるかのようにすごいサウンドを返してより高く、遠くへと登り詰めたアンコールの"Pikadelia"。そして、絶頂の中で迎えた終わりの時。
ダチャンボが信じて進み続けた軌跡が、ひとつの結実となったこのショウ。最高のショウを成功させたいという彼らの熱意と、観客に最大限楽しんでもらいたいというホスピタリティ。それをサポートしようと、集まった多くの友人やアーティスト。そして目一杯楽しむことが、バンドにとって最高の褒美なのだということを表したオーディエンス。様々な気持ちが大きなエネルギーとなって、数多のピースサインが掲げられた。この感動的な光景はひとつのマイルストーンとして、長く語り継がれることだろう。