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No.026/カエルのサーカス

07年3月3日@六本木 Super Delux
そこにしか存在しない空間。

Text & Photo : Hiroshi Suzuki

生まれてはじめて見た景色や、聴いた音楽。そうした記憶を、ふとしたきっかけで思い出すことがある。たとえばそれは、幾台ものクラクションの音と熱によって頭を直撃してくるベナレスの記憶であったり、クラブの窓の外に夢のように降り続いた雪の記憶であったりもする。そうした記憶の再生は、それがなんなのか分からないにしても、その時、その瞬間に頭の中に大きく響くものであったからこそ、いつまでも繰り返すのだと思うし、そのような体験になるのかどうかは、事が起こってみなければ決して予想することもできない種類のもので、その場にイタかイナカッタかということが大きく左右することでもある。
 この日は、久しぶりのBig Frogと、はじめてライヴを聴くことになる生活サーカスに加えて、ACHICOのファイヤーダンスが主な見どころと聞いていた。僕にとっての期待はそれだけだったけれど、この日の事は頭の中で、いまも不思議な一夜の記憶として残っている。
 音楽とショウ、そして、お客とが一体となってその瞬間の楽しみを共有している。楽しみ方を分かっているとしか思えないお客たち。彼らが作り出した楽な空気がこの日の稀さに大きく影響していたことは間違いない。
 この日の事をどこで思い出すのだろうかと考えると、それはまったく検討がつかない。(鈴木)

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