

Lj HOME > Live Report > No.032/SPECIAL OTHERS
Text : Takashi Kikuchi/Photos : Reiji Isoi
「Q U T I M A」と名付けられたSPECIAL OTHERSのアザース・ファンのためのイベントがスタートしたのは2005年9月だった。ちょうどその2ヶ月前に〈フジロック〉への出演を果たした4人は、まさにスターダムへの一歩目を踏み出したところだった。それから3年弱、アザースはメジャーデビューを果たし、2枚のフルアルバムをリリース。「QUTIMA」はバージョン8を数えた。単発のライブだった「QUTIMA」は、全国の大都市を巡るツアーにまで拡大した。
5月25日に渋谷AXで行われた「QUTIMA」は、3月にはじまったバージョン8ツアーのファイナルであり(スペシャル的に、この後に宇都宮、水戸、沖縄公演が追加されたが)、結成以来13年でもっとも大きな会場での単独ライブとなった。
ライブハウスとは違うキャパ1000人以上のホール。その大きさのなかで、いかにひとりひとりに音を伝えるのか。オーガニックなフィーリングを残しつつも、どう音のバランスを保って会場全体の雰囲気を盛り上げていくのか。音の圧力も必要だろうし、視覚でも魅せるためのインパクトも必要になってくるだろう。野外フェスなどで大観衆を前に演奏することが珍しくなくなってきているとはいえ、単独でのライブは勝手が違うはず。すべてのファンはアザースを見るためだけに、そこに集っているのだから。
結論から言わせてもらえば、AXという場所をアザースは自分たちのものにしていた。小さなハコから見続けているこっちの心配や期待やらを、軽く超えていくパフォーマンス。ファースト・セットでは、それまでの自分たちが培ってきたフィールドを貫く。一転してセカンド・セットでは、広がりゆく可能性をかいま見せてくれる。数々のステージを踏むことによってしか生まれない、自分たちのスタイルに対する信念や自信が、彼らの音から聞こえてくる。そして、ここまで来たんだという喜びが見えてくる。2月にリリースされた新作『QUEST』の曲を中心に、アンコールを含め2セットで全14曲。トータルでおよそ2時間半。ジャムも存分に聞かせてくれた。
ギターの柳下がアンコールで言う。「これだけは、言わせてください、ありがとう」。きっと4人が同じ気持ちだったに違いない。ドラムの良太が言う。「次の目標は武道館です」。ある種の達成感と次なるステップへの展望。そのふたつを感じた夜となった。